337番のペンギン(仮)1

主人公:
水族館勤務のぺんぎん:
性別:オス:年齢不詳337番と呼ばれるペンギン。
ペンギンには、とぶことはできず、
ぺんぎんには、空もはばたけないけれど
337番と呼ばれるぺんぎんは、どうやら
じぶんなりになにかをもとめ、
じぶんのたいせつなもののために戦い、
へとへとになりながら
だいじななにかを探しにむかうことになるのですが。やっぱりたいへん。
ぺんぎんくんのゆううつ
337番えさだ。
すいぞくかんに勤務しているぺんぎん337番は、看守(しいくいん)からいつもの餌をもらい、お魚をムシャムシャやっていた。
すると、そばにいる同僚の老ペンギンの声が聞こえてくる。
老ペンギン「昔、この水族館を脱走したことがあり。」
老ペンギンの声の調子はおおきい。こちらにも話のなかみが聞こえてきます。
老ペンギン「水族館の外の世界は、とても楽しいものだった。」
「アラスカまで泳いだ。泳ぎ、きれいなペンギンと出会い、恋に落ちた。」
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337番は、うなだれた。
またはじまった。毎度のこと。えさの時間になると、いつもこの話をはなすあの老ペンギン。
337番「おれたちフンボルトペンギンにとって、アラスカはそんな良い環境じゃあないよおじいさん。ここの図書館でしらべたよ。」
老ペンギンは、337番の言うこともきかず、じぶんの自慢話を大声で、はなしつづけている。
337番「めいわくだっつーの。」
ご飯の時間くらいゆっくりさせろよおじいさんペンギン。と心の中でうざがる337番。
しかしその一方で、337番は、老ペンギンのはなす外の世界をかんがえていた。
337番「そもそもここ(水族館)から脱出出来て、おれはどうやって食っていくんだよ。
俺たち飼われているペンギンに、捕食能力があるわけないだろう。」
常識的に考えなくてもわかるだろ。
老ペンギンは続けた。
「この前、脱走した時、アザラシと一緒に泳いだこともあったよ。」
337番は心の中でつぶやく。アザラシと並んで泳ぐとか、ふつうに食われっぞ。えさになります。
337番は、老ペンギンにギリギリ聞こえるくらいの声で嫌みったらしく、うぜえとつぶやいた。
老ペンギン「うるせーぞ小僧。」。。。
どうやらおれの声は、老ペンギンに聞こえていたらしい。
それにしても今日は看守(しいくいん)の
生活は、ほぼ安定している。人で言うと、ほぼ公務員レベル。外には出られないけど、おれはちびの頃から、ここにいる。だからもう水族館のせいかつになれた。
でも、何だろう。この胸がモヤモヤした気持ち。
老ペンギンは、じっと337番をみつめていた。
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