高校2年の頃、コピーバンドをするためにルナシーのCDを借りたんだ。
ルナシーのベースコピーはきっとたのしい気がする、友人から借りたタブ譜を取り出し、さっそくベースの練習にとりかかった。
と書くのもぼくは高校のころ、文化祭の出し物用にルナシーのコピーバンドをすることに。
バンドにさそってくれた友人Kくんは、とてもルナシーLOVE。
で、オレに熱心にルナシーのアルバムをすすめてくる。いつもノリノリで。とてもしつこかった・・・。
(CDアルバム:あるコンセプトのもとに作られた曲がたくさん入った記録媒体 )
たとえば、友人からかりたCDの中にはこんな曲も入っていたんだ。
曲は、ルナシー作の屈指の名曲ウィッシュ。作曲はベースのJ、サビの連続のような構成がとくちょう。
みずみずしい歌詞とキラキラとしたメロディ。ギターのアルペジオは、とても蒼い表現。
今聴くと、とても眩しく耳にひびく。
友人のルナシー布教はそれはもうざかったのだ。明けても暮れてもルナシールナシー。
そんなある日、
kくん「おれくん!これきいてみてほしい。」
おれ「今、おれはね。前にも言ったと思うけど二ルヴァーn・・・」といいかけて言葉を止めた。
高校当時のオレはこっちを聴いてた。オレを洋楽の沼にばっこしはめこんだ曲。
ニルヴァーナの代表曲スメルズ・ライク・ティーン・スピリット。
高校の出し物で先輩が演奏してて、知ってしまった。
90年代のオルタナティブロックの夜明けの曲。もっと違う表現があるけど思いつかない。
静と動、凸凹な曲構成、フィードバックノイズ。パワフルで重たいドラムとあの地の底から這い上がるようなクールなボーカル。
「曲とバンド名を知りたい。」と思った。
体育館の舞台の袖に曲名があった。必死に、曲名を頭に記憶した。
英語の授業ではこんなに必死に英単語は覚えない。
というのもこの曲は、このタイミングで忘れたら出会えないと思った。
当時ネットはないから忘れたら見つけるのにじかんがかかる。こんな曲はテレビやラジオでは聴けない。
中古のCDショップ、雑誌をくまなく調べ、ニルヴァーナ、スメルズ・ライク・ティーン・スピリットで間違いはないか何度も確認してアルバムを買った。デパートの地下のCD屋で。
違うバンドのCDを買うと小遣いは0になります。
バイトは高2から、1年の頃は金がなかった。ハズしたら来月までお預け。レンタルではこの曲はききたくない。自分の手元においておきたい。
NEVERMINDを手に入れた。やっと見つけた。今でも覚えている。もー既存のラブソング、既存的な音楽に飽き飽きしていたんだ。
それ以外の音楽に飢えていた。カラカラだ。そんなところで見つけた音楽!!!オルタナティブ。必死に探さないと見つからない。みつかった。
ルナシーのCDを手に持って今こそ貸さなければと思う、友人はきっとぼくのはなしをきかない。
でルナシーのCDを借りることになった。借りたのは、ルナシーの1st、2nd、3rdアルバム。
曲のコピーで聴くひつようあるし、どのみち借りる。
ビジュアル系バンドの初期のアルバムのイメージってどう思いますか?
当時のぼくにはイメージは想像がついていたのです。当時はdtmとかできない。PCがまず高い。ネットもない。そんな環境のアルバムのイメージとは、
「1stアルバムの音は・・・」テンプレがある。
「線のほそい音になる。」
どちらかというと、ペラい音。
ルナシーの曲も、他のヴィジュアル系バンドと同じく、線の細い音とヴィジュアル耽美な歌詞の曲がおおいと感じた。
ぼくはルナシーのCDを聴いたあと耽美、と感想をもつだろう。冷ややかな気分だった。
高校当時、音楽の好みにうるさかった。忖度しない。クソなものはクソと友人にきっちりと言い放つ。相手もこっちに言い放つ。そして、いつも友人や同級生と一緒に不機嫌になり、喧嘩になるんだ。ようすうるに子供だった。でも高校生なんてそんなもんだろう。(今はなんでもききます)
当時のぼくと、他の友人はUSバンドに夢中。
- ニルヴァーナ
- レッドホットチリペッパーズ
- rem
- ソニック・ユース
- ダイナソージュニア
- ピクシーズ
(90年代に現れたパンクロックブームのアメリカ版。)にいれこんでいた。
音が大きくラウド、でもどこかポップ。ノイズすら調理して曲に組み込むバンド達。そんなUSバンドとくらべてルナシーの音は、どうだろうと感じた。物足りないかも。が甘く見ていた。
当時、売れる前のテレビでみたルナシーの音は、なぜか低音が尊重されていた。ベースがいい。ベースのJの音は、なにかとてもグッと来るものがあった。
シングル曲(単品でリリースされる世の中に売れそうな曲(でも2曲あり、もう1曲はB面というシングルだけど2曲入ったCD):メインはアルバム、アルバムは曲のあつまり)はいい感じだった。
シングル2曲のロージアとトゥルーブルーには、鬼気迫る勢いがあった。ヴィジュアル系の狭いカテゴリでは収まりきれないように見えた。
MVをみて、メンバーたちがこれは売れなければいけないし、売れて当然で、それは当たり前のことで、そしてそれを今すぐに証明しなければいけない。そんな覚悟と執念を感じた。
シングル曲は、大勢の人が好むようなつくり。
アルバムの曲は、あまり期待できないかもしれない。
ここまでの文章を友人に口頭では伝えてない。さすがにね。
ルナシーの初期のアルバムはどうだろう?と、友人にかりたCDをじっとみつめつつ、
高校の紺色のくたびれたカバンにしまう。学校のチャイムが鳴る。
学校が終わり、電車にのって、途中商店街でおりて友人と遊んで、自宅に帰る。
ルナシー好きの友に借りたCDをカバンから取りだし、CDラジカセのフタをあけ、トレイにCDをのせて再生ボタンを押す。
CDはラジカセの中で回転する。
CDは耳を澄ますとキュイーン、シュルシュルと小さな音をたてラジカセの中で回転するんだ。
そして少し間をおいて曲が流れる。当時の音楽ファンの儀式。ネットはまだない。
どんな音だろう?とジュースを飲みながらきいてみると。
ルナシーの音は思っていた通り音の分厚さがない。が、
それ以上にルナシーの曲への工夫やギミックに驚いた。
前から気になっていたニューウェーブ(70年代に登場したパンクロックの影響を受けた80年代頃の洋楽の1ジャンル。U2、スミス、バウハウスとかその他、パンクより曲がふつうっぽいけど、音の工夫やアイデアがおもしろいジャンル。定義の異論はみとめます。簡略してかいてます)な音がそこにあった。
これはたしかニューウェーブ的サウンドだ・・・。気になっていた音のジャンルがそこにあった。そう感じた。
シンセ不使用の文言がアルバムに記載されていた気がする。この人たちも相当な音楽マニアにちがいない。。。
音にかなりこだわっている。ある曲で「ん?」となった。それがさっきのwishという曲、シングル曲でリリースされていたっけ?と数分考えたが思い出せない。
今ネットでみかけるどこでもサビのような曲。ルナシーも作っている。wishで。
各楽器がそれぞれ独立して音を鳴らそうとしている。(ボーカルメインのバンドは楽器パートは控え気味となり、ボーカルが際立つ。ルナシーはこの逆。どちらがいいかはそのバンドによります。ルナシーの後期は歌寄りへ)
どの楽器もいい。
ギターとベース、ドラム、ボーカルがそれぞれ主張がつよい。
曲のあいだ中音の空間を埋め合っている。
アルバム内の曲の個性がつよい。作曲者がバラバラなことは、クレジットを確認せずにわかった。
1人の才能によるワンマンバンド(ニルヴァーナのような1人の強い個性が引っ張るという意味)じゃない曲の個性があった。
シングルレベルの曲がけっこうある。このバンドのベスト盤は買い、きっと売れるに違いない。
ルナシーのメンバー、他のバンドならコアなメンバーとしていられる個性と音楽的才能を持ってそうだと感じた。みんな曲を作れるし、そしてその曲のクオリティは相当高い。それを5人でやっている。豪華だ。
CDを一巡させてわかったルナシーのアルバムの分析(おくそく、おぼろげな考え。ネットはなく手探りで考えるしかなかった)は、こんな感じだった。
そして重要なのは、ルナシーはUSとUKバンドの影響どちらも受けていること。
US担当はこのベースのJだと思った。
ファッションからはみえない。
彼はUSのストレートな音楽も間違いなく好んでいると感じた。曲から感じる。ガシガシと楽器を鳴らして演奏したい曲を彼は作っている。当時はJの作る曲を好んでいた。
スギゾーはUK担当のようだ。
お耽美なんだけど、嫌味がなくていい感じだった。lovelessをさいしょ聞いた時、メインの作曲主はスギゾーかもしれないと思った。lovelessのサビのフッと落ち着く盛り上がりと曲の雰囲気はスギゾーのイメージピッタリと感じた。UK的な陰り、浮遊感はこの人っぽいと感じた。
知らなかったルナシーの音楽。
アルバム単位できいて正解と思った。貸してくれた友人に感謝した。彼が愛しているルナシーとは、シングル曲のルナシーではなく、アルバムの中にある。2ndアルバムをきいてファンになった。
潔癖でやさしさのある曲。ギターがすごくいい。
音楽へのこだわりと愛情。音楽雑誌に彼らのインタビュー記事があったら買って読もう。新しいバンドを知ることができるかもしれない。。。。
音楽マニア。xと比べるとヘビーメタルよりニューウェーブだ、演奏もしやすくしてくれてそう。
このバンドはベースが特にたのしい気がする、CDといっしょに友人から借りたタブ譜を取り出し、さっそくベースの練習にとりかかった。
シングルリリースされた、デザイアくらいから
ルナシーの音は、どんどん太く、強く、自信をつけ、たくましくなっていった。そう見えた。
ルナシーのベースのコピーは2ndアルバムから中期の有名曲がおすすめです。
シンプルで演奏しやすくかっこいい。(エンジョイ勢の意見です。ガチで詰めて完璧にするのは、たぶんすごく大変だと思います。そのうえで。)
デザイアのベースは、イントロからフレット移動が激しくて難しかった記憶があります。
途中までしかできなかった😢というレベルです。文化祭では却下。
弦を押さえたままスライドさせて滑らせるやつ。名前忘れたけど。だが変わらずかっこいいベース。
おわり
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